「もうこの人とは共に人生を歩むことができない」と判断した時、離婚の二文字が頭に浮かぶと思います。自分の意志は固く、そう決めたら相手に離婚したい意志を伝えなくてはいけません。
しかし、離婚を切り出すタイミングがわからないという人も多いのではないでしょうか。タイミングを見誤ると、話し合いどころかトラブルに発展してしまう可能性もあるのです。
そこで、今回は離婚を上手に切り出す方法についてどのような方法があるのかを解説していきます。
離婚を切り出すタイミングはとても重要
離婚の話をパートナーに切り出す際、大切なのはその切り出し方です。
切り出し方を誤ってしまうとスムーズに話し合いを行えなくなってしまいます。離婚したいという気持ちが高まっている時は、早くパートナーに伝えたくなってしまいますが、感情的な切り出し方をしてしまうと、離婚のこととは関係のないケンカへと発展してしまうことがあります。
その為、まずは冷静になることが大切です。感情的になっている時に切り出しても、パートナーも聞く耳を持ちませんから、まずは落ち着いて話せる環境と状況を見極めましょう。
また、話し合いたいと事前に伝えておくことで、パートナーも覚悟を持って聞くことができます。
離婚を切り出すタイミングを間違えるとどうなる?
離婚を切り出す側としては揉めることなく、自分の意志をパートナーにわかってもらうことを前提としていますが、切り出される側は予期していない出来事に動揺してしまい、話し合いを拒否してしまうことがあります。
特に、切り出すタイミングを間違うと、パートナーが怒ってしまったり、話し合いを拒否してしまうことに繋がってしまうので注意が必要です。
また、離婚の際の条件(慰謝料・親権・養育費)すら望んでいた通りに話が進まなくなることもあるでしょう。離婚をしたいからとタイミングを見ずに話し合いの場を設けてしまうのはリスクが高い為、パートナーをよく観察することが大切です。
離婚を切り出す前にしておくべき準備
離婚話を円滑に進める為には、事前準備がとても大切です。
感情的な切り出し方をしてしまうと、得なことは一つもありません。話し合いをスムーズに進める為に準備しておくとよいことについてまとめました。
不倫やDVなどがあった場合は、証拠を集めておく
不倫やDVなどが原因で離婚を迫る場合には、まず証拠を集めておくことが大切です。
不倫の場合には、不倫相手との決定的な証拠を集めておく必要があります。LINEでのやりとりやラブホテルに入る写真などがあると良いでしょう。
また、DVなどが原因で離婚を望んでいる場合は、怪我などの診断書やDVによってできた傷などを写真に撮っておきましょう。ただし、DVをする人と冷静に話し合うのはとても難しい為、証拠を集めたとしても破られてしまうこともある為、コピーしておきましょう。
弁護士に相談をしておく
離婚を決意したものの、協議離婚できる状態でないと判断できた場合は、弁護士に相談しておくことが大切です。
万が一裁判にまで発展した時に相談しておいた事実が有利に働くことがあります。弁護士を選ぶ際には、離婚案件が得意な弁護士に依頼しましょう。
求める離婚時の条件を整理して決めておく
生計を共にしていた人達が離婚をするとなると、別れた後のことも考えないといけません。
特に子供がいる場合は、親権や養育費の問題が出てくるでしょう。その為、事前に離婚をする際の条件を整理しておくことが大切です。
頭の中だけではなく、冷静な話し合いができるように箇条書きにしてメモしておくと良いでしょう。
親権
親権とは、未成年者の子供を監護、養育し、その財産を管理、子供の代理人として法律行為をする権利や義務のことを言います。
親権を獲得することによって、財産管理権として包括的な財産の管理権と子供の法律行為に対する同意権を得ます。また、身上監護権には、身分行為の代理権・居所指定権・懲戒権・職業許可権が与えられます。
このように色々な権力を与えられる面もありますが、社会的に未熟な子供を保護することを目的とし、子供の精神的・肉体的な成長を見守っていく親の義務として認識されていることが多いようです。親権は、どちらか片方の親しか持つことができませんので、話し合いをする必要があります。
ただし、協議しても決定することができない場合には、裁判によって親権者を定めることになるでしょう。
面会交流権
面会交流権とは、離れて暮らしている子供と直接会ったり、それ以外の方法(手紙やメールなど)で親子の交流をする権利のことです。
たとえ離婚をしたとしても、子供にとって親であることは一生変わりませんから、その点を考慮した権利と言えます。
面会交流権は双方での話し合いによって行われ、会う方法や回数、日時や場所についての取り決めを行います。双方が納得すれば問題ありませんが、どちらかが納得しないままですと、裁判所が間に入り解決してもらう必要が出てくるでしょう。ただし、子供に会わせることが良くないと判断された場合には会うことはできません。
慰謝料
慰謝料というのは、精神的損害に対する賠償金のことを言いますが、離婚における場合は不貞行為や暴力行為などによって傷つけられた肉体的・精神的な苦痛に対する代償として相手に請求するものです。
パートナー側にどれだけの非があるのかにスポットが当てられますので、証拠が大きな判断材料になります。また、慰謝料の請求が認められているのは離婚後3年以内です。
慰謝料を財産分与の中に含めて支払うケースも多く、その際にはしっかり文書を残しておく必要があります。また、慰謝料の怖いところは、お金がないところからは取ることが難しいという点です。
婚姻費用
婚姻費用とは、夫婦と未成熟の子供が社会生活を維持する為に必要な生活費のことを指しています。具体的には、居住費や生活費、子供の生活費や学費です。
法律上、婚姻費用についてℎは夫婦がその負担能力に応じて分担する義務があります。これは、例え別居をしていても法律上夫婦である以上その権利はなくなりません。
別居後、収入が少ない妻に対して夫が生活費を渡さないとなると、婚姻費用分担請求をすることで確保することができるでしょう。
財産分与
財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で築き上げてきた財産のことを言います。離婚の際にはそれぞれの貢献度に応じ分配することになるでしょう。
離婚をしたいが為に、財産分与の話し合いをないがしろにしてしまう夫婦がいますが、しっかり話し合いをしておかないと本来もらえるはずの財産まで手放してしまうことになりますので注意しましょう。
財産分与は3つに分けられており、清算的財産分与(夫婦が婚姻中に形成した財産を清算)・扶養的財産分与(離婚による困窮する元配偶者の扶養)・慰謝料的財産分与(傷つけたことに対する慰謝料として)に区分されています。
養育費
離婚時、未成年の子供がいる場合には子供の親権・監護権をどちらかに決める必要があります。親権を得た親は、親権を持っていない親に子供を育てていく為の養育費用を請求することができます。これが養育費です。
子供が最低限の生活ができる為の扶養義務ではなく、それ以上の内容を含んでいる生活保持義務に該当している為、親権を持っていない側の親と同等の生活水準を保てるように支払っていかなくてはいけません。
生活が苦しいから払うことができないと養育費の支払いから免れようとする人もいますが、自分自身の生活水準を落としても支払う義務がある為、逃れることはできません。
また、離婚を急いでしまうことによって養育費の話し合いができなかった場合でも、養育費の支払い請求を後からすることもできます。
夫から妻の場合】離婚を切り出すベストなタイミング
夫から離婚を切り出す場合、女性の性質をしっかり理解しておく必要があります。
女性は本来感情的な生き物であり、自分に不利な話に対しては激情しやすい為、切り出し方には十分注意してください。
仕事をしている妻であれば、平日に話し合いの場を持つのではなく休日にするとか、忙しそうにしている時にはなるべく話し掛けないことが大切です。リラックスしているタイミングを見計らって切り出すようにしましょう。
また、女性は男性の嘘を見抜くことが出来ますので、離婚したい本当の理由を隠さずに話すこともポイントです。本当は不倫が原因で離婚したいのに、一人になりたいなどと曖昧なことを伝えると離婚に応じてもらえなくなります。
【妻から夫の場合】離婚を切り出すベストなタイミング
妻から夫に離婚を切り出す際に注意したいのが、男性は自分に不利な話に対してシャットダウンしてしまう傾向があることです。聞きたくない話には耳も傾けてくれませんので、話し合いにならないことも多いのです。
また、プライドが高く理屈的な人が多い為、中途半端な話し合いでは言いくるめられてしまう可能性が高いと言えます。話し合いをする際には、まず自分の伝えたいことをメモにしておいて整理しておくことが重要です。内容が曖昧な話や感情的な話になってしまうと、一向に離婚の話ができなくなってしまいます。
何をどう伝えたら良いのか、夫にもわかってもらえるように工夫しておくことが大切です。言葉では伝えにくい場合は、夫に手紙を読んでもらってから話し合いを進めるのも有効でしょう。
離婚に関する話し合いの時に使えるテクニック
離婚の話し合いをする時に、ちょっとしたテクニックを使うことによってスムーズに話し合うことができます。どのような方法があるのかをまとめました。
話し合いで合意した内容を紙に書いて確認していく
離婚の話し合いを進めていくと、感情的になって話し合いがストップしてしまったり、同じことを何度も話してしまうことがあります。スムーズな話し合いをしていく為には、お互いが合意した内容を紙に書いていくことです。
事前にどのような話し合いをするべきか準備をしておき、それについて決定した内容をプラスしていくとわかりやすいでしょう。同じことを何度も話し合う必要がなくなりますし、業務的にこなしていけます。
また、お互いが合意した内容だけを書き込んでいく為、認識の相違を防ぐことにも役立ってくれるでしょう。
話し合いがお互い感情的になってきた場合は翌日に持ち越す
離婚というヘビーな内容で話し合いを行っていると、お互いが徐々にヒートアップしてきます。最初は冷静に話し合いができていても、気付いたらケンカになってしまうことがあるでしょう。
ヒートアップしてきたと感じたら、一端冷静になる為にその場を離れましょう。また、少し時間を置くことで冷静さを取り戻したり、頭を整理することができますので、また冷静に話し合いをすることができます。
会話をICレコーダーで録音しておくことで認識の相違をなくす
離婚の話し合いは楽しいものではない為、途中でヒートアップしてしまったり、同じことが何度も議題に上がってくることがあります。
お互いがしっかり話し合いできていると認識していても、実際にはその認識に相違がでることもあり、それが引き金になって話し合いが難航することがあります。
そこで役立ってくれるのがICレコーダーです。会話を録音しておくことで、トラブルになった際に聞き直すことが出来る為、水掛け論を防ぐことができたり、認識の相違を正していくことができます。使用する際には、双方が納得して使用してください。
まとめ
離婚話の切り出し方に正解というものはありません。しかし、なるべく話し合いをスムーズに行う方法はあります。
人によって感情的になりやすい人、理屈っぽい人、うまく伝えることができない人など様々ですので、パートナーの性質を見極めておくことが大切です。
また、離婚話はトラブルになりやすく、DVをする人との話し合いは身の危険がありますので、第三者を間に挟み話し合いをすることをおすすめします。感情的にならず、冷静な話し合いを心掛けることが大切です。
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