様々な道具を駆使し、独自のルートと機動力をフルに生かして活躍する探偵。映画や小説でお馴染みですね。
本物の探偵はどうやって調査をしているのか?秘密の7つ道具はあるのか?調査の時にどんな道具を使うのでしょうか?
依頼人への調査報告として、裁判で有効となる証拠資料として、探偵はあらゆる道具を使います。
意外と知られていない、探偵とデジタル機器の関係。決して相手に悟られず、そして確実な証拠を得る為に必要な道具を探偵がどのように使っているのか、詳しく説明します。
1.カメラ
調査にあたって必要なものは何でしょう?
浮気調査の場合、調査対象者を張り込み・追跡し浮気相手を見つけて特定しなければなりません。または依頼人より、該当人物に関する話が初めに出ていることもありますね。
浮気を決定づける最も一般的な方法としては、写真に撮ることです。探偵自身が見聞きしただけでは「動かぬ証拠」にはならないからです。探偵は、常にカメラを持ち歩きます。
裁判などの証拠資料ともなり得るだけあって、鮮明なデータを残せる機器でなければなりません。高性能のデジタル機器であることは勿論、暗い場所でも撮影可能であり、離れた場所から決定的な瞬間を撮影するための、望遠レンズなども必需品です。
使用するタイミング・用途
探偵がカメラを使うのは、調査対象者の動き次第です。歩いている最中や車の中、同じ建物の中、いつ何時撮影が必要になるか分かりません。
ただ一緒に歩いていた、食事をしていただけでは浮気と見なされないことだってあります。そのため探偵は、調査対象者とその相手が不貞をしていたという確たる証拠を見つけるのです。
2人がホテルに入り一定の時間を経て出てきた瞬間や、相手の自宅に一晩泊まったと分かる写真を突き付けられたら、調査対象者もさすがに言い逃れは出来ないでしょう。
2.ビデオカメラ
追跡中にバッグに仕込んだビデオカメラで撮影、ということもあります。
写真撮影をするのが難しい店内や、明らかに人通りの多い場所などはビデオカメラの出番です。ビデオカメラで撮影した画像を、写真として残すこともあります。
広範囲で望遠力があることは勿論、夜間の現場でも撮り逃しのない撮影照度を持ったビデオカメラでないと、証拠となるデータは残せません。プロの探偵は、比較的暗い建物の中や外灯の少ない住宅街でも撮影出来るビデオカメラを使用します。
使用するタイミング・用途
ビデオカメラでの撮影は、対象を逃さない限り一定の時間を自動的に撮影し続けていられるため、追跡中に使用されることがほとんどです。
浮気を決定づける行動が、どのタイミングで訪れるか分かりません。
2人で買い物をして、調査対象者が浮気相手に贈り物をするなどといったシチュエーションや、明らかに自宅で料理をするための食材を購入する姿を撮影出来れば、ただ2人で歩いていただけではなく「浮気をしている」という状況証拠になります。
3.小型カメラ
調査対象者に接近し、決定的な瞬間を押さえられるとなっても、探偵自身がそれを悟られてしまってはどうにもなりません。
カメラなどは当然使えませんし、ビデオカメラも絶対に気づかれないとは限らない…。そんな時に活躍するのが、昨今みるみると性能を上げてきた小型カメラです。腕時計やボールペンのような形であったり、パッと見にはカメラと分からないような外見の物が増えています。
映画でしかお目にかかれなかったスパイカメラが、現在では実際に探偵御用達の精密機器としてフルに利用されています。
使用するタイミング・用途
高性能の小型カメラの登場によって、探偵はこれまでよりも大胆に調査対象者に近付けるようになりました。
決定的な現場を押さえるためには、対象者に接近する必要もあります。例えば飲食店やバーなど、建物の外からではなかなか撮影出来ない場所に入った時、何食わぬ表情で客を装い浮気現場をしっかり撮影するのがプロの探偵なのです。調査対象者がすっかり気を抜いている場面でもありますね。
4.ボイスレコーダー
探偵の調査には、ボイスレコーダーも必要です。
ボイスレコーダーとは小型の録音機のことで、インタビューなどにも使われる機器です。現在では作動音も静かで、滅多に気付かれることのない高性能のボイスレコーダーがたくさん開発されています。
会話も大事な「動かぬ証拠」。聞き損じのないよう、そして依頼人にはっきりとした証拠を提出するためにはボイスレコーダーは欠かせません。
使用するタイミング・用途
ボイスレコーダーに録音する声は調査対象者だけとは限りません。
2人の行きつけのお店のスタッフ、浮気相手が住むマンションの住人など、状況証拠を提供してくれる第三者の証言も大切です。
そして、意外にも多く録音されるのは探偵自身の声です。追跡中、時間をかけてメモをとることなど出来ませんから、対象者が○時に○○に入った、などと調査対象者の行動をボイスレコーダーに録音しておくのです。
5.盗聴器
電波を使って周囲の声や音を拾う盗聴器は、対象者の声が拾える場所にセットしておけば、自動的に会話を聞くことが出来ます。
盗聴は犯罪なのではないかと思われている方も多くいますが、実は盗聴という行為自体は罪ではありません。盗聴器を仕掛ける為に対象者の浮気相手宅に侵入する、コンセントや電話機を改造するなどといったことが、犯罪行為と見なされるのです。
使用するタイミング・用途
では、探偵自身が罪に問われずに調査対象者の周囲を盗聴するにはどうすれば良いか?
答えは簡単です。浮気調査を依頼するのは、大抵が配偶者やパートナー。つまり、依頼人自身が調査対象者に盗聴器を仕掛けるのです。行動パターンが読めてきたら、浮気デートやお泊りの頻度も見えてくるでしょう。
探偵と協力し、思い切って浮気の証拠をつかみましょう。
6.GPS発信機
昨今よく耳にする言葉「GPS」。位置特定サービスとして、スマホやカーナビにも搭載されている優れものです。
GPSがあれば、衛星を利用して自分の現在位置を測定することが出来ます。つまり、調査対象者の身に着けておけば対象者の居所を測定することが可能なのです。近頃では、子ども用の携帯電話に搭載されたGPSを利用して、親が子どもの安全を見守れるようになりましたが、それと同じシステムですね。
使用するタイミング・用途
探偵とはいえ、調査中にどのようなことが起こるかは分かりません。
通常の追跡ではなかなか起こり得ませんが、例えば事故による渋滞に巻き込まれたり、対象者自身が予想外の行動に出ることもあります。
そんな時に備えて、念には念を入れるのがプロの探偵です。あらかじめ対象者の身にGPSを取り付けておけば、不測の事態にも即対応!
勿論、こっそりとGPSを取り付け、尚且つ怪しまれずに過ごせるのは依頼人に他なりません。
7.三脚
限られた期間内で調査をする探偵は、1人で何役もこなします。追跡し、証拠を掴み、それを結果として残す。そんな時に必要となってくるのが、三脚です。
ビデオカメラを回しながら写真を撮影するのは、どんなに優秀な探偵でも容易ではありません。他にも様々な道具を一度に使いこなすためには、三脚は必ず必要となります。カメラを固定し、目標を設定しておけばシャッターひとつで証拠を撮影出来ます。
使用するタイミング・用途
撮影場所が決定し、角度もズームも照度も決まれば三脚の出番です。ほとんどの場合、調査対象者の浮気相手の自宅が多いでしょう。あるいはお決まりのホテルの玄関に照準を合わせることもあります。
カメラをセットしておいて、ビデオカメラを回しながらボイスレコーダーに情報を吹き込む。証拠は多ければ多いほど、確実性があればあるほど良いものです。それを追求し、一度に様々な道具を使ってやり遂げるのがプロの探偵なのです。
8.双眼鏡
高性能のデジタル機器が揃っている現代で、双眼鏡などというアナログな道具が必要なのか?と思う方も少なくないでしょう。
意外にも、双眼鏡は調査の必需品。プロの探偵ならば、必ずひとつは持っているといっても過言ではありません。
双眼鏡の利点はバッテリーを必要としないこと、小さく軽量で持ち歩きやすいこと、すぐ取り出し使用出来ること、カメラなどよりも望遠性と視認性に優れていることが挙げられます。
使用するタイミング・用途
いつ、どんな時でもすぐに使える双眼鏡は、張り込み時の必須アイテムです。
長時間の張り込み、浮気デートの場所が自然の公園や海だったとしてもバッテリー要らずの双眼鏡なら心配ありません。
また、バードウォッチング用の双眼鏡などは夜間でも視認性が高く、暗視カメラより役立ちます。
探偵と調査対象者との間に障害物が少ない現場では特に、デジタル機器の液晶画面は意外と目立つもの。アナログ機材の双眼鏡ならば、対象者に気付かれずに夜間の監視も出来るのです。
9.単眼鏡
徒歩で追跡をする時に出番が多くなるのが単眼鏡です。単眼鏡とは、双眼鏡とは違い筒状のコンパクトな物。ポケットに入れておいて片手で取り出し、すぐに使用出来るのが一番のメリットです。身に着けていても邪魔にはならないし、動きながらでも使えます。
昨今は缶入り飲料を模した形状の物などもあり、パッと見には単眼鏡とは分からない便利なアイテムとなっています。
使用するタイミング・用途
調査対象者がどんな動きをしても、しっかり張り付いて見逃さないのが探偵の仕事です。
一旦立ち止まり、カメラや双眼鏡などを構える余裕がない時も勿論あります。
また、出来るだけ目立たないように振る舞わなければならない探偵にとって、コンパクトで持ち歩きにも便利な単眼鏡はなくてはならない物。
相手の行動に合わせ、身ひとつで次の現場に向かうといった状況においては、単眼鏡は欠かせません。
調査対象者の行動のみならず、細かい住居表示や看板を確認するという用途にも使えます。
まとめ
最新のデジタル機器から、アナログな道具までありとあらゆるアイテムをフル活用して調査を行う探偵。まるで映画の世界のようですが、実際の探偵はこれらの道具を標準装備して、動かぬ証拠を掴むために奔走します。
依頼人の期待に応え、また自らの完璧な仕事を遂行するための道具の数々は、探偵にとってなくてはならないものです。
そしてアマチュアには決して真似出来ない、プロフェッショナルな探偵の仕事は、選び抜かれた優れた道具を駆使する技術を持っているのですね。