調査を依頼するというと探偵と呼ばれる方々が主流で、興信所と聞いてもピンと来る人は少ないのではないでしょうか?
また、探偵と興信所の違いは何か気になっている人もいるでしょう。
今回は興信所と探偵の違いについてを、少なからず存在する悪質な興信所の特徴と共に解説します。
興信所について詳しく知っていきましょう!
興信所ってどんなところ?
興信所という名前は耳にしたことはあると思いますが、実際にどのようなことをしているのかわからない方が多いでしょう。
興信所とは、企業の信用調査を電話による聞き込みやデータの収集などで行い、調査結果を出す探偵業のことを言います。
ですが、探偵事務所も名前だけ興信所にしているところもあるため、探偵業法にのっとった調査をするようになっています。
なので主な調査は信用調査となっていますが、浮気調査や素行調査なども行っているのです。
興信所とは?探偵とは何が違うの
興信所は、企業の信用調査や与信調査などの調査を主にしていました。
企業が取引先の会社を「信用できるのか」判断するために、興信所が調査を行います。
登記簿や社会謄本などから、その会社の業種、事業内容などを確認したり、代表者や住所地などから「信用できる会社なのかどうか」を判断していきます。
その他にも、電話による聞き込み調査や白書などを用いて様々な情報を集めてその会社に対しての評価を下したりなどをします。
これに対し探偵は、実地の調査を行うことが主な仕事です。
浮気・不倫調査、行動調査、素行調査などがそれにあたるでしょう。
今はほとんど同じ調査業をしている!
ですが現在では興信所と探偵には大きな差はなく、ほぼ同じだと考えて良いでしょう。
調査業としてハッキリとした区別はなく、行っている調査も同じようなことなので、「名前のみの違い」になっています。
ですが探偵は探偵業で定められている定義の範囲内で調査を行うので、調査対象者に聞き込み、張り込み、尾行を業務としています。
名前を「○○興信所」としているところでも、探偵業法の届出をしていれば探偵の業務を行うことが出来ます。
このため、興信所と探偵は同じ業務を行っていると判断するのです。
興信所の得意としている調査内容
興信所は信用調査や資産状況の調査を得意としています。
登記簿などを用いて企業の資産の裏付けをとったりその他のデータを集めて調査対象の会社に対する評価を下します。
あらゆる面からデータを用いて裏付けして1つの答えにたどり着くのが、興信所の得意分野です。
探偵の得意としている調査内容
探偵事務所の得意分野は実地による調査です。
張り込みや尾行をして調査対象者を追跡して、素行を調べたり浮気の状況を把握します。
その調査に伴い特殊な機器を使用することもあり、このような技術を用いるのも探偵の得意分野と言えるでしょう。
裁判で使う証拠となるデータを撮影するなど、証拠のデータ収集能力が高いのも探偵の特徴です。
興信所とは?どんな調査をしてくれるの?
探偵業法の届出をしていれば、探偵と同じような調査を行うことが出来ます。
では実際に、興信所はどんな調査を行ってくれるのでしょうか?
興信所の調査内容①浮気調査
まずは浮気調査です。
興信所でも「探偵業法の届出」をしていれば、探偵と同じ調査を行うことが可能です。
浮気調査の主な調査方法は、調査対象者を尾行して浮気相手と接触した瞬間を画像・動画に収めます。
また、ラブホテルや自宅に調査対象者と浮気相手が入っていく瞬間なども撮ります。
興信所がこのような調査を行う場合は、主に行っていた信用調査などから学んだ方法を取り入れることもあります。
興信所の調査内容②素行調査
素行調査は浮気調査とほぼ変わらず、尾行や張り込みをして調査対象者やその周りについてを調査します。
浮気調査をしている流れで浮気相手の住所や職場、交友関係についても調べることがありますが、それは浮気調査ではなく素行調査と言えるでしょう。
尾行や張り込みの他にも興信所が得意とするデータ収集脳力が加われば、より詳しく個人の情報が手に入るでしょう。
興信所の調査内容③人探し・行方調査
人探し・行方調査を行う際は、まず調査対象者の情報を集めます。
顔の写真・生年月日・身長体重・癖や特徴など主な情報から、調査対象者が利用しているパソコンなどの履歴や残されているレシート、SNSなどをチェックして何か手掛かりはないかを見つけます。
そして調査対象者が今までに関わってきた人や立ち寄りそうなお店から聞き込みをして、探し出します。
興信所の調査内容④企業信用調査
元々、興信所の仕事といえば企業信用調査です。
例えば、取引するか検討しているB社が信用ある会社なのか確かめるために、興信所にB社の調査を依頼します。
興信所は公的なデータを手にして、代表者や事業内容などいろんな方面から本当に信用できる企業なのか判断します。
事業内容に伴わないような利益であったり所在地がよく変わっていたりなど、不審に思う点が見つかれば、取引を持ちかけてきた企業に何か企みがあると判断できるでしょう。
このように総合的な情報を集めて企業が信用できるのかを調査するのが、信用調査です。
ここ最近では、ブラック企業なのか、架空の事業を行っているのかなど、悪徳業者であるかの判断も行っています。
悪質な興信所が存在する!その特徴とは?
調査依頼を考えている方もいるとは思いますが、存在している興信所全部が依頼人を思って調査してくれるとは限りません。
悩んでいる依頼人に漬け込んで騙す、悪質な興信所は少なからず存在しています。
ここでは悪質な興信所の特徴について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
悪質興信所の特徴① 探偵業の届出がされていない
探偵業の調査を行う際は、探偵業法に基づき調査を行う場合は探偵業の届出をすることが義務づけられています。
公安委員会に届出をすると探偵業届出証明書が交付され、営業所の見やすい場所に提示するようにと言われています。
探偵と同じような内容の調査を行っているのにも関わらず、探偵業の届出がされていないとなれば悪質な興信所と判断して良いでしょう。
悪質興信所の特徴② 成功率100%を掲げている
どんなに腕のいい調査員でもちょっとしたミスをしてしまうこともあります。
調査に絶対はないと言えるでしょう。
そんな中でも「確実に成功します!100%成功!」と謳う興信所は、ただ依頼人の数を増やしたいだけです。
失敗しないと依頼人を寄せ集めて、金銭を騙し取ろうと考えているでしょう。
悪質興信所の特徴③ 事務所の外で会おうとする
直接会って相談をする際に事務所外の場所を指定する興信所がいますが、そのような興信所には注意が必要です。
事務所が存在していないことが考えられ、それは詐欺行為を行っている興信所に見られる傾向の一つと言えるからです。
最悪の場合、調査費用を受け取った後にすぐ依頼人の前から姿を消すことが考えられます。
悪質興信所の特徴④ 過去に行政処分を受けている
契約時に契約書の交付を怠ったり、探偵業届出証明書を依頼人に提示せずに契約をした場合、探偵業法違反になり行政処分を受けます。
悪質興信所の特徴⑤ 調査報告書を適当に作成している
興信所に依頼する上で調査報告書はとても大事な物になります。
いつ・どこで・誰が・何をしていたのか、法的に有効になる情報・写真が記載されていなければ意味がありません。
悪質な興信所は、調査を行っていないのにも関わらず調査報告書を作成したり、証拠の写真を記載していなかったり、調査報告書を作成しないこともあります。
悪質興信所の特徴⑥ 無理やり契約させようとしてくる
興信所は簡単に依頼できるほど費用が安いとは言えませんし、相談をして話を聞いた上で依頼をするかしないか判断したいですよね。
ですが依頼人の意思を無視して強引に契約をしようとしてくる興信所も中にはいます。
依頼人のことを考えてくれる興信所は「じっくりと検討してください」と言葉をかけてくれるので、契約を急かすような興信所は悪質でしょう。
悪質興信所の特徴⑦ 適当な調査を行う
依頼人は行われている調査を直接見ることはしないでしょう。
それをいいことに、悪質な興信所は手を抜いた調査をしたり適当な調査を行います。
ですが依頼人はそんなことをされているとは思いもしないので、興信所から渡されたデタラメな調査結果を受け入れてしまいます。
悪質興信所の特徴⑧ 無断で調査を延長させる
調査が長引いてしまう際は延長料金がかかってしまうので、調査を続けるときはしっかりと依頼人に確認を取ることは当たり前のことです。
ですが勝手に調査を延長させて延長料金を請求する悪質な興信所も存在しています。
無断で調査を行い追加の料金を請求するのは違法行為なのでれっきとした犯罪にあたります。
悪質興信所の特徴⑨ 違法な調査を行う
どんな調査でも行ってくれそうな興信所ですが、違法な調査を行うことはしません。
しっかりとした興信所は依頼をされても断りますが、悪質な興信所は違法とわかっていても受け入れて調査を行います。
依頼人も罪に問われるリスクがある中、お金のためなら違法なことなど関係ないのです。
悪質興信所の特徴⑩ 他の興信所を悪く言う
「他の興信所よりも我々の方がいい調査をしますよ」「あの興信所はよくないです。止めた方がいい」などと他の興信所を下げる発言をする興信所は悪質です。
自分の興信所と契約させることに必死で、他の興信所の評判を落とそうとしているでしょう。
依頼人のことを考えずに自分たちのことしか考えていません。
悪質興信所の特徴⑪ 個人情報を流出させる
興信所には依頼人の個人情報やプライバシーを守る「守秘義務」があります。
しっかりとした興信所は調査が完了したら個人情報を破棄しますが、悪質な興信所は名簿作成業者に売ったりなど情報を悪用します。
悪質興信所の特徴⑫ 契約させるために借金を進める
依頼人の予算より調査の見積もりが高くなってしまった場合に、消費者金融を紹介して借金をさせようとする悪質な興信所も存在します。
その際、消費者金融側も興信所の仲間で一緒に依頼人を騙そうとしている可能性が高いです。
普通の興信所は当たり前ですがそんなことはしませんし、費用が足りない場合は他の興信所の見積もりも貰ってみるべきです。
悪質興信所の特徴⑬ 高額な料金を支払わせようとする
調査費用には相場があり調べれば出てきますし、他の興信所と比較することが出来ます。
色々な興信所の相場を見比べて、あまりにも費用が高い場合は悪質な可能性が高いでしょう。
信頼できる興信所だと見極めるコツ
悪質な興信所の特徴を解説してきましたが、それを参考に信頼できる興信所をどのように見極めればいいのかを考えましょう。
見極めるコツをしっかりわかっていれば、信頼できる興信所に依頼することが出来ます!
見極めるコツ①探偵業の届出をしているか
調査を行う際は探偵業の届出をしなくてはいけません。
浮気調査などに必要な尾行、張り込み、聞き込みは探偵業法に定められているので、届出がなければ開業できませんし調査も行えません。
ホームページには「探偵業届出証明番号」が記載されていて、事務所には「届出証明書」が提示されています。
なので、まずは探偵業の届出がされているのかチェックしてみましょう。
見極めるコツ②事務所の所在地がハッキリしているか
ホームページに所在地がしっかりと掲載されていて、その所在地が本当に存在しているのかを確かめましょう。
相談や面談をするときに事務所に来てもらうよう指定する興信所は信頼しても良いですが、頑なに事務所に近づかないようにする興信所には気を付けてください。
見極めるコツ③的確な料金設定がされてるか
ホームページに料金体系が詳しく掲載されているかが判断のポイントになります。
また、依頼の際は「探偵業法にのっとり、重要事項をあらかじめ説明する義務」が課されているので、料金についてしっかりと説明されるかもチェックしましょう。
料金についてのトラブルはよく発生するので、説明やホームページの記載と違うとなりがちです。
このようなトラブルを避けるために、料金については必ず調べておきましょう。
見極めるコツ④電話で見積もりをだしてくれるか
多くの興信所は電話で無料相談や見積もりを出してくれます。
事務所に行かなくても電話である程度の相談に乗ってくれるでしょう。
電話で見積もりを出さない興信所は、事務所に行ったときに想像以上の見積もりを提示することがあります。
なので、電話で見積もりを出してくれるのか確認してみましょう。
見極めるコツ⑤調査報告書はしっかり作成されているか
依頼人に調査の結果を知らせる調査報告書はとても大事な物です。
事務所に行ったときにサンプルを見ることが出来るので、調査対象者のことが詳しく記載されているのか、写真は法的に有効かをチェックしてみましょう。
まとめ
興信所について詳しく解説しましたが、いかがでしたか?
現在では探偵業の届出をする興信所がほとんどで同じ調査を行うことから、興信所と探偵に大きな違いはないと言えます。
また、依頼人に親身になってくれる興信所が多い中、少なからず自分たちのことしか考えない悪質な興信所も存在します。
紹介した見極め方などを参考にして、信頼できる興信所に依頼しましょう。
興信所についてよくある疑問
- 調査成功率100%の興信所は信用できますか?
-
信用してはいけません。それは自信を表す数字であって、実績を表すものではありません。
- 悪徳興信所はどれくらい存在しているの?
-
全く分かりません。おそらく探偵業の届出を行っていない業者や個人が「興信所」を名乗っています。